林檎・4

これを一生懸命に口説く為に毎日の様に来ている奴、これは金を置いて行ってくれるから良いが、大分おっさんにもなって何してんだか。

こいつからはちょっと目の敵にされたな。偶に閉店近くに客の振りをして迎えに行くんだけど、まあやっぱり何となく分かるんだろう、俺の立ち位置が、で、カウンターにいる俺に絡んで来たり。

いや、何だったら貰ってくれて構わんのだが、これに入れ込んじまうこいつの未来も又暗そうで、どんよりとした気分にしかならない。俺と変わってくれるなら、それはそれで有り難いんで、そんな敵視しないで、寧ろ譲ります。

何度かこの町を散策した事があるが、これが又寂れていて。いや、人口はそれなりにいるから、寂れている訳ではないんだが、何だか絶望感を感じる。

でっかい鉄工所があって、近くにぼろい団地があって、黄昏時に鐘が鳴ると、そこから労働者がわらわらと出て来て、団地へ消えて行く。

工場労働と言うだけで、毎日毎日機械の様な仕事を熟すだけの日々を想像して、うんざりして来るが、終わって団地に戻って飯食って寝る、この代わり映えしない毎日を延々と繰り返す人生、それを思うだけで死にたくなる。

青森の西側。風が強くて寒かった。
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コメント

  1. ミヤ より:

    ブログ再開ありがとうございます
    林檎の話・・・
    「オラわくわくすっぞ!」

    • 毒鼬 より:

      いやいや、この話、書いていてどんよりして来たから、そんな続けたくないのだが。

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