白蟻とは言うけど、巣の中にいて日の光を浴びていない時が白いだけで、外に出て来る羽のついた個体は、普通の蟻と比べればやや白っぽいのは確かだが、イメージする白蟻とは違う。だから、白蟻なんて見た事もない、と思っている多くの人も、白蟻と気付いていないだけで、目にしている可能性は高い。
白蟻は蟻ではなく、ゴキブリの仲間。極度に社会性を発達させる事によって蟻と似た様な巣作りをしているだけ、との事だ。確かに、形状は蟻ではないよ。小さいから、良く見ないと蟻と区別付かんけどね。羽も、通常の羽蟻は後ろの2枚が前の2枚と比べると小さい。が、白蟻は4枚ほぼ同じ大きさ。
こっちに来てそれなりに経つけど、白蟻との格闘は今年が初めて。家は海の傍だから奴らがいないのだろう。湿気を嫌うらしいので。雨が多くなって木材も湿り始めるこの時期は、現在の巣の危機だから、新天地を求めて飛び立つ、って感じだろうか。
沖縄では白蟻駆除の業者が非常に多い。看板を至る所で目にするのだが、今までこの被害に遭っていなかった俺は、何でだろうなあ、と漠然と思っていた。今回ので良く分かったね、この島では白蟻との戦いになる。
台風が多い事もあって平屋根のコンクリートの建物が多いが、白蟻対策でもあるのだろう。木造はちょっとやばそう。自然の中でログハウスの別荘、とか、安易にやらない方が良いと思うね。
都会での競争を避けて自然の中に安寧を求めて逃れても、そこでは大自然との更なる激闘が待っている。マスゴミに毒された漠然としたイメージだけで自然は癒し、なんて考えは捨てるべきだね。ユートピアなんてないって事よ。
(終)
渡嘉敷島を、南へ。
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