それぞれの、物語・1

俺の一番の強みは、常に反省出来る事かな、逆に言えばいつも自信がないので、自身も持っていないので、一つ一つ、恐る恐る、何かをやる度に振り返って見て、毎日あれこれ思い悩む。

嘘付け、と言われそうではあるがね、こんな生活だし、でもこう言う側面があるのは間違いなくて、人から見たら違うのかも知れないが、少なくとも自分の中では臆病者、チキン。

少し動き出した仕事のせいで、自分が知らない者が自分の関わりにいる。俺が直接見た事のない人が俺の顧客にいる、結構な奇妙な感覚。これが本来の姿なのかも知れない、世の中が動いて行く。

全部には目が行き届く訳がないからな、でかくなりゃ。それでもやっぱり、俺がやりたい事ってこうじゃねえなあって。そんな世間に有り触れた物を、事を、そんなんなら遥か遠い昔にそう言う世間に組み込まれていた筈。

幾らでも機会はあった、普通のその辺の然程変わり映えしない、毎日楽しくなさそうな、そんな生き方を選ぶ事は何時でも出来た。幸い、俺には選ぶ権利があった。どんな道でも、選ぼうと思えば出来ただろう。

傲慢な考え方だけれどもね、でも俺の体格であっても、プロ野球の選手にはなれたと思うね、俺が本気だったのなら。確かに大谷にはなれなかっただろう、元が違い過ぎる、でも、それなり位には。

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