最初の方でさかなクンを出したけど、あれは伏線だ。何かの切っ掛けで彼の経歴を見た時に、この日本の入試システムに怒りを感じたから、こう書いている、ってのもある。
さかなクンは、餓鬼の頃から魚が大好きで、当然の帰結として、その道を志す。だが、東京水産大学には落ちてしまった。
現在、東京海洋大学の名誉博士。東京商船大学と東京水産大学が合併して出来たのが東京海洋大学。つまり、試験に落ちた大学で、その大学生になる事はなく、現在名誉博士になっている。
テレビチャンピオンで上手く目立って世に出たから良かった様なものの、埋もれてしまう可能性があったんだぜ、彼。
恐らく、受験生の段階で、海洋生物に関する造詣は同年代の他の人間よりも突出していたはずだ。それを、やれ英語だの数学だの国語だの、ってのを課して、そんなどうでも良い物が出来なかったせいで、落とされた。水産大学に、だぞ?
海洋生物を研究しようと言う人間に、英語とか国語とか、要るか?こんな事を試験に課した結果、その道のスペシャリストになる人間を取りこぼしたんだぜ、水産大学が。これ、国立だからな。国が、こんな優秀な人材を拾えなかったと言う、この事実。
彼はこの結果、専門学校に行った。彼は既に中学生の時にカブトガニの人工孵化にも成功していたとか。非常に珍しいそうだ。こんな宝石を見つけられない、この国よ。
この様な例が氷山の一角である可能性すら、ある。スペシャリストになってノーベル賞までも狙えたかも知れない様な人間を、今現在も、埋没させているかも知れない。国は今すぐに、対策をしなければならない。
なのに、義務教育で英語だの、大学入試で英語のリスニングだのスピーキングだの、阿呆なのか。教育制度の改革の方向を確実に間違えている。
こう言う、一芸特化の人間を拾えるシステムを考えないとならん。この場合で見れば、水産大学なんだから、生物一教科でも良かった。
センターで英語をやらせる、リスニングをやらせる、本当に無意味。どれだけの人間にこれが役に立つと言うのか。
だから、英会話重視論には、大反対。英語なんて、文系が教養としてちょっと齧る、ぐらいでいいんだよ。まあ、俺みたいに一芸特化出来ない人間には、教養の一つとして必要だと思っているけどね。俺は、広く浅く、のタイプなので。
(続)
久米島、五枝の松。相当に古い。
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