打って出る・1

決めた、拡大する。全然先が見えねえが、ま、何とかなるだろう、今迄も先が見えた事なんてねえし。俺が失敗なんてありえんしな、こうやって世の中舐め腐って今迄生きて来た。

全然まだまだ俺の世界は狭過ぎるし物足りないし、丁度こんな良い機会があるんだから、ここは出陣の時。面倒な事だって沢山増えるだろうけど、暇よりはましじゃねえか？

憎むべきは暇、暇さえあれば酒飲んじまうし、それがその一瞬の暇潰しであればまだましなのだけど、飲んだら最後、この酔った状態がだらだらと続く訳で、もう何も進まんね、これでも仕事はばっちり出来る、いや出来ている筈、多分。

個人レベルではもう今の侭で十分、これ以上望む事も余りない。別に、拡大とかせずともそれなりにやっては行けるだろう、当面は、そう言う礎は出来た感がある。

只、折角こっちに残ってくれている弟子達だな、これをもっと活躍させたい。どうせ他のごみみたいな所で燻ってバイトしているだけなんだから、俺ならもっと遣り甲斐を感じさせられる、有効活用出来る。

熱い世界を見せられる。いずれこの島を引っ張ってくれる連中、ならば彼らにこそこう言う世界を見せたい、これこそが大学生活って言う様な、今彼らが住んでいるのとは違う世界を。