でも、現在は別の文化の浸食、つまり、大挙してやって来る中国人観光客と那覇に一気に増えたネパール人もいるから、ないちゃーばっかりに構ってもいられない。最早文化の防衛なんて無理だろう。
元の話へ。外食の多様化は、沖縄の人間の嗜好の多様化に一つ原因があると述べたが、もう一つの原因は外的要因。偏に、県外からの移住者が増えて来て大きな勢力になりつつあるということだ。
移住者は、勿論沖縄の文化や人間を好んでこちらに来ている面はある。だが、いくら沖縄料理が好きと言っても、そればっかり毎日食う訳にも行くまい。食文化は人間の根底、そんな簡単に味覚は変わりはしない。
その移住者のメインである、東京、大阪、名古屋などの都市部出身者ならば、あちらにある外食の多様性を当然欲する。だから、和食もイタリアンも、蕎麦もうどんもラーメンも、ニーズがある。
また、那覇もこれだけ大都市になれば、好きで移住して来る奴ばかりでも無い。単にビジネスで、転勤で、来ている人間も多くなる。彼らは全く沖縄の文化に興味が無いし、溶け込む気もない。だから、沖縄料理以外も必要。
それらのニーズに応えているからこそ、沖縄の現在の外食の多様化があると言える。言い換えれば、沖縄本島は既に内地からの移住者に征服されつつある。
(続)
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