ブランド牛、の続き。
ブランド牛を作る為には、まず牛の質が重要になるので、肥育農家は全国各地の繁殖農家を巡り、競りで特に良い牛だけを買い付けて来る。
自前で繁殖した場合、質が劣る牛が出て来るリスクがあるが、買い付けに専念すれば、質が高い牛だけを揃えられる。また、肥育にも技があって、ただ餌を与えていれば良いものでもない。餌の種類と時期に工夫がある。
初期はまず骨格と内蔵の強化。これでたくさん餌を食えるようにして、徐々に筋肉をつける餌に変える。その後「サシを入れる」、つまり、脂身を増やして霜降り肉にする。食べ疲れて来たらビールを与えて食欲を増進させたり。
ビールを飲ませた理由はこちら。俺もたくさんビールを飲んでいるからこの腹は霜降りだな。で、こうやって高品質の牛肉を作り出荷する。この技術がわかれば繁殖農家でも肥育できるだろうけど、こういうのは門外不出だからな。
それに、ブランドは名前だ。仮に無名の地域で同じ肉質に出来たとしても、それを消費者は高く買ってくれるか、と言う話。「神戸牛」なら全国区、いや世界区だな、なので高くても止む無しだが、「宮古牛」ならばどうだろうか。
まだ「宮古牛」はそんなに知られていないブランド。「石垣牛」はブランド化しつつあるけどね。だから、「宮古牛」が「神戸牛」に匹敵する質だったとしても、同じ値段で売ったら誰も買ってくれない。
(続)
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