前の続き。
「原風景の島」とは、素朴な風景と様々な民俗学的に重要な祭祀が残されていることから、また、上記の伝説から、日本人のルーツとしての島、という意味合いだろう。まあ、どこまでが本当なのかはわからない。
この小さい島にそんな大層なルーツがあるかと言われれば眉唾。実際、学説的には信憑性は低いようだ。取り合えず、その根拠となるこのクマヤ洞窟を見てみよう。
道を北上していると、崖から突き出た大岩が道を遮るように見えてくる。実際はいくつかの岩が積み重なっているのだが、かなり不安定で今にも崩れそうに見える。クマヤ洞窟はこの大岩の横にある階段を上って20m程の所にある。
今にも崩れそう、と書いたが、台風の後など、実際、岩の位置に変化があるようだ。なので、落石注意だと。いやいや、こんな洞窟に入っている時に落石とか、注意したって死ぬっての。因みに、これは後でガイドブックを見て知った。
こんな危険性を知っていたら、このクマヤ洞窟には入らなかっただろう。階段の上に入り口があるのだが、大人が横になってぎりぎり通れるぐらいの岩の割れ目とでも呼ぶべき様な所で、名所と知らなければ絶対に入ろうと思わない。
入り口は足元も悪い。だが、そこを抜けると、天井の高い、大学の大教室程の空間が広がっている。足元は砂に変わる。洞窟の前にはビーチがあるので、強風で巻き上げられた砂が隙間から入り込んでここに溜まっているようだ。
(続)
コメント