津堅島、の続き。
俺はこの島産の人参を食ったことがない気がする。品質が良いので県内外のホテルやレストランが主な出荷先で、市場に並ぶことは少ないのだとか。確かにスーパーでは見たことがない。その甘味、一度は味わってみないとな。
人参の旬は3月中旬から5月上旬とのことで、この時は島で食うことは叶わなかった。まあ、あまり人参は好きではないので、興味は薄い。一応、食いやすいよう、ジュースやパウダー、麺、菓子などに加工されたものもある。
人参は、「人参しりしりー」が一番良い食い方だと思っている。沖縄料理の一つで、細切りにした人参の炒めものだが、独特の変な甘みがなくなるので食いやすい。炒り卵や出汁の味で人参の味がマイルドになっている。
ツナ缶を入れても良いだろうね。人参嫌いの子供は多いはずだから、この料理で食わせるのがお勧めだ。かくいう俺も餓鬼の頃は嫌いだったので、この料理があれば食えたのに、と思っている。
親も沖縄に来てこの料理を食って気に入ったようで、家でもたびたび作るようになった。でも、30年遅いぜ、母ちゃん。ただ、この料理はうまいけど、津堅島産の人参でこれをやったら、その折角の独特な味わいを消してしまう気もする。
津堅島では他に紅芋も作っている。沖縄の特産品で、薩摩芋とは別物。紅芋は大薯(だいじょ)とも呼ばれる。紫芋というのは薩摩芋の一種でまた別物。ややこしい。
(続)
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