精神の高揚

旧コラム

前の続き。

俺が思うに、本多忠勝の晩年は抜け殻だったんじゃないだろうか。家康の家臣、57回の出陣でかすり傷一つも負わなかった、蜻蛉切りの槍を振るう武将。これが関ヶ原以降、その力を見せる場所もない。そんな世の中絶望するね。

西郷隆盛もそうだな。明治維新を成し遂げたは良いけど、その先、平和な世の中で成すこともない。さらに先の戦、征韓論を唱えたが成せず、西南戦争にて露と消えた。でも後に結局韓国併合をするというね。ちょっと先取りしすぎたか。

別に、戦争を賛美している訳ではないよ。ただ、人間というのは自分の精神の高揚を目指して生きていると言っても良い。そして、その最高にアドレナリンが出る状態が戦争なのではないかと。

下らん自己啓発の本を読んでいるぐらいなら、戦場に行った方が早いだろうな。極限状態でこそ人間の精神は最高潮に達するに決まっている訳で、そんな状態も経験したことのないゴミが書いている啓発本なぞ、今すぐ捨てろ。

でも、現在の国同士の全力戦争は核になる。使ったら自滅も意味している。つまり、もう国家間で死力を尽くした戦争は不可能ということだ。なので、人間が全力でできる闘争はこの世に存在しない。

科学が戦争によって発達したことは明白。戦争のお蔭で、それを解決しようという精神的発達、つまり、哲学や思想の研究も進んできたわけで。

(続)

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