島は漁業、ではない

旧コラム

与論紀行、続き。

さあ、夜の街へ。ここは島だし、やはり海産物だろう、ということで、パークホテル近くの居酒屋ティダに。てぃだ、って沖縄の言葉で太陽だが、こちらでも同じように使われているようだね。

実は、島だから海産物、ってのはあてはまらないんだけど。実際、この島の産業のメインは農業と観光。建設業に従事しているのもそこそこいるが、漁業はあまりいない。統計を見ると、漁業従事者は30人もいない。

慶良間の座間味島、阿嘉島もそうだった。島に住んでいれば、皆、魚を食っているだろうというのは、こちらの勝手な思い込み。

よくよく考えれば、沖縄の魚、まずいという評価が定着している。つまり、そんなもの、好き好んで食う奴は少ない、ってことなんだよね。であれば、漁業が盛んにはならんわな。

ここ与論も沖縄とさほど変わらない海ではあるんで、そこは同じ。海に出るにしても、個人消費分ぐらいしか獲って来ない、ってところだろう。

でも、これがちょうど良いバランスなんじゃないかと。こちらの魚は、ダイビングなんかの観光資源でもある。でかい船を出して乱獲でもすれば、この島のメイン産業である観光が大ダメージ。

だから、南国の魚はまずい、ぐらいがちょうど良い。うまいと宣伝されてどんどん食われたらやばいからね。鮪や鰻のような結果にもなり得る。

(続)

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