【九州紀行・9】甲羅酒

旅行記

基本的には雄の方が味が良いが、雌には卵巣の楽しみがある、と言う事だ。秋は雄、冬は雌が良い。両方食ってみたが、正直そこまで違いは分からなかった。

甲羅酒、と言う飲み方も教えて戴いた。剥いた甲羅に日本酒の熱燗を入れて飲む。なるほど、蟹味噌が少々溶け込んで旨味が増し、熱燗によって香りも立つ。これは良いな、酒が進む。どんどん親父さんに注いで戴いて、ぐびぐび。

鯥五郎も戴いた。小骨ごとぼりぼり食える。戴いて置いてなんだが、そんなに旨くはないか。俺は柳葉魚(ししゃも)とかも食わん。基本、固い物が余り好きではなくて。

翌日知ったのだが、佐賀の人はこの鯥五郎、殆ど口にしないらしい。「鯥五郎って食えんの?」って人すらいた。どこの名物でも、地元の人は食わない事が多いからな。俺も沖縄料理、今じゃめっきり食わんなあ。

他に、旨い煮込みやら、日本酒熱燗や焼酎の御湯割りやらを注いで戴いてぐびぐびと。こんなに持て成して貰えて有り難い限り。

親父さんの言葉は半分ぐらい分からん。田舎は方言が強いと言うが、ここまで佐賀の言葉ってのは違うのか。ミチヲってトライリンガルじゃねえか。佐賀弁、標準語、うちなーぐち。言語の才能はあるのか。英語もその気になったら喋れるようになるかもな。

(続)


乗ってきた電車。2両編成。

有明海。泥。

右が、泥遊び後に浴びるシャワー。

蜜柑の選別作業。ごろごろ転がって来る。

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