ペンと刀・2

管巻き

それで、ボールペンだけで。ノートもいらんと思った。常に裏紙で乱雑に書いて、一期一会の思考で、その場で覚えて捨てよう、と。甘えを絶たないと始まらない、そんな状況だったから。

書いていて指が痛くなる様なペンは流石に嫌だったが、それなりの書き心地があれば何でも。家にある奴を片っ端から使っていた。寧ろ、全部この在庫をなくす位書き捲って、この頭に叩き込んでやろう、そんな気分だった。

弘法筆を選ばずと言うよな、だから俺はこっちの方が性に合っている。変に刀に拘りを持つより、どうせなら弘法レベルを目指そうと。

それに、ボールペンって中々使い切るのが大変で、これを潰した時の満足感は結構あるよ。それだけ書いたんだから、一応はそれだけの量を熟したんだ、って自信にはなる。

今でもこれは続いている。飲み屋に行ってもぐちゃぐちゃに書き捲っている事が多い。やっぱり、読んでいるだけとか駄目だね、人間色々な感覚を使った方が良い。

書くと言う触覚的作業も十分に脳を刺激し得る。昨今では書くと言う作業と無縁になりがちだ、ITの御陰で、でも、勉学の基本はやっぱりここにあるのではないかなあ、と思う。まずは書こう。(終)

読谷の海岸。ここは人は少な目で穴場。

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