胡桃・2

別に飢えていた訳ではない、家で飯は十分に食っていたけど、珍しい物があると口にする。この餓鬼の頃の癖が今でも残っているから、珍しい物を見ると買ってしまうし注文する。

木の実はその侭だと余り美味くはなかったな。家に持ち帰って母ちゃんに料理して貰う。炒ればまあそれなりのスナック菓子の感じ。でも、椎の実と胡桃位かな、食えるのは、他は不味かった。

花の蜜も吸ってたな、つつじは美味しい。横浜育ちとは言うけど、かなり野生児、ワイルドだろぉ~。でも、虫は食ってねえな、沢山集めはしたけど、観察するだけ、これを食って見ようとは思わなかった、俺の好奇心の限界。

で、胡桃の木が近くにあったので、その生態は分かっている。緑の実があって、その中の種が胡桃。周りの皮は食えないし汚らしい、ってイメージ。まずこの種を取り出さないとならん。

胡桃割り器とか胡桃割り人形とかで有名だけど、この種が無茶苦茶固い。他の木の実は齧れば大体中身を取り出せたが、こいつは割れ目に歯を当てて齧ってもそうそう割れるもんじゃない。

母ちゃんに炒って貰うと、少し割れ目が出来て、そこから漸く割れる、マイナスドライバーとか使って。で、出て来る中身はほんの僅か、一生懸命錐で穿り返して、漸く御目当ての物に有り付ける。

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