ヴ・ナロード

ロシア語で「人民の中へ」と訳される。19世紀後半のロシア帝国の末期、皇帝専制政治を打倒し改革しようと言う知識人、インテリゲンツァ、は革命思想を広く農民に浸透させる為にこの標語を掲げた。

大半のケース、失敗した様だ。やはり知識の開きはあるし、立場が違い過ぎる、辺野古に居座る猿に俺が演説をしに行く様な物だ、理解し合える訳もない。日々の生活を何とかしたい農民に抽象的な革命の崇高な思想、無理過ぎる。

これに絶望したナロードニキ、この活動を行った連中だが、最終的にはテロリズム、ニヒリズム(冷笑主義と訳される)、アナーキスト(無政府主義者)へと走った。現実が見えてしまったんだな、そこに希望は残らない。

この悲劇的結末は、激動の時代、性急な結果を求めた故だろう。だが、理念としては間違ってはいない、民主主義と言うのはこう言う地道な説得以外にあり得ない。実際には理念だけでなく、利益でも懐柔して行くのだろうが。

大きな革命的変動を齎せる様な人物はそうそういる訳もなく、演説1つで大きく変えられる様なキング牧師とか、なれりゃあ良いけどね、出来ない凡人は1つ1つ身の回り、自分が触れ合う世界からスタートするだけ。

結果を求めても、どうせ俺が生きている内にはそれは目にする事は出来まい。だからそこには目を瞑る。何かあるんじゃないか、いつか起きるんじゃないか、そんな期待だけでも十分だろう。

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