【和食06】沖縄から世界への植民

旧コラム

一口に「移民」と言っても、入って来る、出て行く、両方を指す。これは、日本が島国であり、そもそも移民に頭を悩ます必要がなかったと言う歴史があって、区別する必要もなかったから、それが言語に残されていると言えるだろう。

それは兎も角、沖縄は多数の移民を輩出した側だ。南米、東南アジア、一次大戦後にドイツ領から日本領に変わった赤道以北の南洋諸島(サイパンやテニアン)などに。

那覇で「世界のウチナーンチュ大会」なんてのをやっているぐらいだ。この祭りは、世界各地に移民していった人やその子孫がこちらに旅行して来て、それを歓迎する祭り。数年に一度行われている。

既に死んだ俺の爺さんは沖縄出身なのだが、テニアン島に植民で行った。グアムの北側、サイパンのすぐ傍にある島。現在でも住民5000人程度で、開発はあまり進んでいないようだが、一度ぐらい訪ねてみたいとは思っている。

俺が調べた限りでは、テニアン島はほぼ零から、つまり無人島からの開拓であったそうだ。これは、言葉の定義上は日本からの「植民」ではあるのだが、先住民がおらず被害者がいないという点で考えれば、むしろ「移民」だ。

結局、植民と移民の線引きは曖昧であって、大筋で違いは無い。そして、沖縄から出て行った人間には、移民もいれば植民もいる。沖縄は必ずしも常に被害者側にいた、いる、訳ではない、と言うことは肝に銘じておくべき。

(続)

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