子は宝?

旧コラム

少子化の話でも、の続き。

実際問題、先進国ほど出生率が下がる訳で、これは、自分の生活が裕福になればなるほど子育てをしなくなることを意味している。はっきり言ってしまおう。人間は子育てが面倒だと思っている。子育てが嫌いだ。

自分が生きていくにも苦労するような途上国ならば、自分の生命が脅かされているから自分の遺伝子を少しでも多く残さねばならない、という意志が働いて、子作りに励む。

だが、国が先進国になって自分の生活が安泰になれば、面倒な子作り、子育てはやめよう、となる訳だ。「現代のライフスタイルの多様性が少子化の原因」とか言われるが、物は言い様、人間の、あまり公言したくない真実を隠している。

ストレートに言うならば、「子作り子育てより楽しいと感じることがこの世にはたくさんある」ということ。「子は宝」と言うけど、実はそんな大した宝でもない。「宝」というのは「金」みたいなもので、あればあるほど良いものであるはず。

ところが、人間は豊かになればなるほど子作りをしない。「子は宝」とは完全に矛盾している。自分の生活が豊かになって余裕ができるほど、その余力で「宝」を増やすことに向かうのが本来のあるべき姿。

だが、先進国でそんな人間がどれほどいるだろうか。そんな人間ばかりなら少子化など議論にも上がらない。「子は宝」なのだから、人間は豊かになればなるほど子作りに励むはずで、結果どんどん人口は増えるはず。

(続)

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