【九州紀行・43】示現流

旅行記

入場料は1000円、結構する。この仙巌園はそこそこ広く、散歩には良い。入口にある砲台は明治期の物の復元だが、68kgの鉄球を3km先まで飛ばせるそうだ。薩英戦争時に活躍したのかな。これを作る為に使った反射炉の跡もある。

克灰袋は初めて見た。降って来た灰を、市民はこれに入れてごみとして出すそうだ。回収されて土捨場に運ばれる。鹿児島には何度か来ているが、一度も降灰に当たった事はないから、一度ぐらいは経験してみたいな、とは思っている。灰自体はさっきチェックインしたホテルのカウンターに無料で置いてあったので、土産に持ち帰った。

正門脇にあった、示現流(じげんりゅう)薬丸自顕流(やくまるじげんりゅう)の剣術の展示室を見逃したのは痛恨至極。今パンフレットを眺めて気付いた。実際に木刀で打ち込む体験も出来たようだ。ああ、やりたかった。

幕末薩摩の門外不出の剣術、示現流。ここから派生したのが薬丸自顕流。どちらも似た様な剣術ではあって、奇声を張り上げての初太刀の一撃必殺。剣で受ければ、自らの剣の鍔が額にめり込んで死ぬと言う、相手のガードなぞ御構いなしの、暴力的剣術。

戊辰戦争の際には、自分の刀の峰や鍔が額に食い込んだ死体が数多くあったとか。ガード出来ずに胴から真っ二つに切られた死体も。新撰組局長の近藤勇に「薩摩者の初太刀は受けるな、外せ」と言わしめるほど。

その先の錫門は良かった。薩摩では良質のが取れた様で、それをふんだんに使った門。錫の重厚な鈍い輝きが俺は好み。この後の売り場で錫製のぐい飲みを買おうか悩んだが、結局買わず。高いんだよね。それに、こんな良い器があったら、良い酒も欲しくなるし、きりがない。

(続)


克灰袋。

降灰を見てみたい。

錫門。

鈍い輝きが堪らん。

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