渡嘉志久・2

離島

港にはホテルからの迎えが来ている。この便で来た客は俺一人の様だ。到着、ホテルは閑散としている。一応客は他にもいる様だが、5組いるかどうか。気怠い夕方、アンニュイな雰囲気で良い。

総じてこのホテル、とかしくマリンビレッジは良かった。繁忙期の姿は又大分違うだろうが、それを避ければ、この感じは好み。美しいビーチを目の前に静かに過ごせる。館内も広々としているし、部屋も綺麗だし設備も良い。

折角だしね、結構泥酔しているが、さっきフェリーでちょっと寝たから大丈夫だろう、海へ。ここのビーチは何度か来たが、遠浅で砂浜のビーチなので、魚は全然いない。

一応、今の自分の状態は把握しているので、浅瀬でぴちゃぴちゃ程度。こんなもんで十分かな、今回はだらだらしに来たので。アクティブな旅ではない。売店で酒買って、ビーチを眺めて無為に時間を過ごす。

その侭夜もずっと。酒とビーチ、それ以外余り記憶がないな。ホテル内の売店での買い物は部屋代につけておいてくれるので、気軽に行き来していた。何本飲んだんだろう、呆れられた事は間違いない、領収書を見るに。

翌朝、天気も良くて、部屋からの眺めも極上。又ビーチに行ってだらだらと。正直記憶は断片的、ずっと酒浸りなので。何となく楽しかったから良いか。

もう一泊するか迷ったのだが、やはり都会の喧騒が恋しくなって、帰る事に。美しい海なんだけどね、結局すぐ飽きる。自分の根幹に染みついている雑踏の感覚が捨て切れない。

こうやって異質な物に触れるのも、自らの確認の為に必要ではある。只、そんな長い時間は要らんな、又暫くしたら来よう、繁忙期を避けて。夕方の高速船で、どうやって乗ったかとかは記憶がないが、気付いたら松山にいた。

ビーチにて。

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