【和食33】砂絵と標準語

旧コラム

例えば、バヌアツ。南太平洋にある、南北800キロ間に点在する83の島々からなる国だが、ここには砂絵と言う世界無形文化遺産がある。島々間で言語が異なり、意思の疎通が難しい為、この砂絵が生み出されたようだ。

ビーチに描く、一種の絵文字。これからわかるのは、彼らも、例え言葉が通じない相手であろうとも、何とか御互いにコミュニケーションを取ろうとしている、と言うことだ。島国だが、決して排他的ではない。

沖縄を含む南西諸島は長さ1200キロ。バヌアツよりも長い範囲にあるこの島々もまた、昔は言語が別だった。日本に統合された現在でも、奄美、沖縄、宮古、石垣、それぞれ方言はだいぶ違う。

バヌアツの砂絵の代わりが、現代の日本では標準語。そもそも、日本四島も元々は言語がばらばら。だが、文化交流の必要性があって、そのニーズから統一的な言語が出来た。

これによって国内では格段にコミュニケーションが楽になったんだから、どんどん文化交流、しないとね。沖縄と言う狭い範囲で民族愛に拘ることは愚かだよ、と言うことよ。

この島に多くの人間が出入りする、その結果、沖縄の文化も変容して行く、実に歓迎すべきことだ。那覇の飲食店の多様化、和食店の増加、これもまた喜ばしい、と言うこと。お、テーマにきっちり戻って、きれいにまとまって来たね。

(続)

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